カピバラ珠子

本の代読屋さん。全ての本は誰かの名著になりうる。

【本のご紹介】メンタリストDaiGo氏 「人間関係をリセットして自由になる心理学」を読んで

 

人間関係をリセットして自由になる心理学 (詩想社新書)

人間関係をリセットして自由になる心理学 (詩想社新書)

 

 自分がやろうとしていることが正しいんだというの裏づけをとりたくて本を手に取ることってありませんか?

私にとってこの本がそれでした。

 

「はじめに」の一節

「与えられた人間関係にうまく対処する」のではなく、「理想的な人間関係を選ぶ」

 そして

「第5章 やっかいな人間関係をうまく処分する方法」

極めつけ、本のそでに

処分することで、人間関係はより充実していく!」 

とあったので購入を決めました。

 

当時の私の悩みは「身近にいる困ったさんとの付き合い方」でした。

困ったさんとうまく付き合っていこうとしてあの手この手を尽くしていましたが、

どうにもうまくいかず、途方にくれていました。

そんな私に救いの手が差し伸べられました。

 「そうか、関係を処分するというのは許されることなんだ」

 

あの人を処分!処分!

あの人との関係性をゴミのような扱いにしてしまうことの背徳感と爽快感。

誰もが処分したい「あの人」の1人や2人はいるのではないでしょうか?

 

ただ読んでみて期待を裏切られたのは、要するにこの本は、

特殊テクニックで望まない人間関係性を切ったりすることを促しているのではなく、

あくまで自分自身に前向きな成長を促すことでいろんな人と適切な距離をとれるように自分が変わりましょう、という非常に倫理的かつ健全な内容なのです。

 

詳しい内容について興味がある方は以下ご参照ください。

 

まず

第1章には、受動的な振り回される人間関係のデメリット

第2章には、能動的に選ぶ人間関係を築くことのメリット

が書かれています。

 

第3章からは理想の人間関係を築くために何を鍛えるべきかが紹介されています。

まず1つめは「レジリエンス」を鍛えること。

ここでいうレジリエンスとは、「ストレスでを負った心の傷を自分で回復させる力のこと」を指します。なぜレジリエンスが必要なのかというと、人間関係を取捨選択する上で生じる摩擦からストレスを受けることはよくあるため、そこでストレスに対応する粘り強さを発揮するためです。次の新しい出会いを恐れない原動力にもなります。

 

2つめは「共感力」を鍛えること。

共感力を鍛えて人の気持ちを分かるようになることで、不要な摩擦を回避したり、悪意をもって近づいてくる人を避けることができるようになります。また人間関係を深めることもできるようになります。一方で、ネガティブな人にも共感・影響を受けやすくなってしまうことになるので、1つめのレジリエンスとセットで鍛えます。

 

上記2点を鍛えるエクササイズとしては、瞑想と運動が推奨されています。

DaiGoさんはニコニコ生放送の生主として有名ですが、そこでも瞑想と運動はたびたび推奨されています。

 

第4章では良い人間関係の作り方です。

自分がどうやって友人を選ぶべきか、選んだ後のその人たちとの人間関係の深め方

について言及されています。

具体的には、ベストな友人を探すのではなく目の前の人と親しむことをよしとする戦略、コミュニケーション能力向上のための読書、接触時間をどうやって多くするか、どこで会うべきなのか、頼みごとをすること、素の自分でいられる人を大事にする…等の関係を深めるためのノウハウがギッシリ詰まっています。

 

第5章では やっかいな人間関係の処分方法

個人的にはお待ちかねの!!!

ここで事前予想があっさりと裏切られるのですが、

私は「やっかいな人が一撃抹殺できてしばらく近づいてこなくなるバルサン」のような

解決を期待していたのですが、そういうことではありませんでしたね……( 一一)

 

①「相手の気持ちは、自分の問題ではない」

アドラー心理学でいう課題の分離です。

つい相手に合わせてしまい無駄な期待をさせ、期待に応えられず、傷つけてしまうのではなく、相手の期待を裏切らないためにも、無駄な期待をさせない配慮も大事、という内容です。

 

「二度と付き合わない決意と行動をとる」

ここの行動ノウハウについてはあっさりとしたボリュームです。

課題の分離と決意が固まっていれば、自然と相手と距離ができる行動ができる…と。

(なかなか現実にはそこが難しい~!と私なんかは思うわけですが)

1つ具体的には「切りずらい関係性には、別の人間関係を利用する」という方法を紹介されています。やっかいな人は支配しやすい相手を求める傾向にあるので、やっかいな人にとっては都合が悪い人・権威を持つ人との関係性を作ることで、やっかいな人が離れていく…というものです。

③嫌な記憶への対処法を身につける

嫌な人間関係から受けたストレスのコーピングの紹介です。

ここでも運動を推奨されています。特に階段をダッシュする方法は面白いなと思いました。また、嫌な記憶が鮮明なうちに詳細まで思い出しておいて、その後の悪い記憶の反芻を止める、という方法もあるそうです。

めんどうな人間関係を自ら作り出さない

自己表現や自分の印象の管理が大事になってきます。

他人に悪い印象を与えがちなパターン4つ紹介されています

  • 見え透いたお世辞(バックハンドコンプリメント)
  • 謙遜にみせかけた自慢(ハンブルブラッキング
  • 言動不一致・偽善(ヒポクラシー)
  • 傲慢(ハブリス)

人間関係に恵まれないと言う人は、自分が知らないうちにこういったことをやっているのでは?という自省をうながされます。 

⑤自分の成長、進歩を意識する

他人の価値観ではなく、自分の価値観で評価し、

他人と自分ではなく、過去の自分と今の自分を比較しよう、ということです。

それによって振り回される人間関係に飛び込むのを防ぐことができます。

 

第6章あなたを幸せにする30人の友人

自分が積極的に付き合っていきたい人を30人程度に絞り込み、自分の時間・お金などの投資をそこに集中させることで人間関係が充実する、という内容です。

弱い紐帯」とよばれる所謂「ゆるいつながりが自分にメリットをもたらす・・・」という説についてはかなり誤解されており、本来は「自分の強い紐帯30人とつながっている弱い紐帯が大切」という意味であり、異業種交流して名刺配りまくることではないのです。

 

第7章は実践的なワークが紹介されています。

そうはいってもなかなかどうやって…となってしまう人向けに、

お茶を飲む、チョコを食べるといった超具体化されたアクションプランをいくつも紹介してくれるのがDaiGoさんの良いところだと思います。

ダイエットと同様に、たまには積極的には望まない人間関係(職場の呑み会など)をチートデイとして自分に許すことの重要性が紹介されているのが印象的でした。

概要は 以上です。

 

 

誰かのお役に立てば幸いです。

初回なので長くなってしまいました~(恥)

 

カピバラ珠子

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